マカの歴史


人間がマカを利用してきた歴史は、3000年とも4000年とも言われています。

現在はペルーのアンデス高地で育つマカですが、マカの起源はチベットだと言われています。

マカは、チベット北東部の海抜3000mの高地に生息していた自生植物でした。

それが数千年前に、ペルーに移動したチベット族の一部が、大切にしていたマカをアンデスに持ち込み、耕作したと考えられています。

その後、アンデス高地の至る所で栽培され続け、15世紀ごろまでにさまざまな新しい品種も開発されました。

15世紀ごろといえばインカ帝国の時代で、帝国は強大な戦力を誇っていました。

マカは当時、リャマなどの家畜と物々交換されるほど、貴重な物でした。

戦いの後の戦士への褒賞として使われたとの言い伝えも残っています。

しかし、突然マカの歴史が途絶えてしまいます。

それは1500年代のスペインの侵略により、インカ帝国が滅亡したためです。

スペイン人はキリスト教布教のため、当時の人々が崇拝していた太陽神を否定すると共に、その供え物だったマカをも禁止してしまいました。

栽培禁止となったマカは、アンデスの奥深くに追いやられ、人目のつかない場所でひっそりと人々に受け継がれました。

しかし、1970年代には絶滅の危機に瀕するところまで追いやられ、1979年には、マカの耕作面積は僅か25ヘクタールしかなかったとのことです。

それが1980年代に復活の時を迎えます。

アメリカのある旅行者が、アンデスの村を訪ねたときに、村に老人がいないことを不思議がったといいます。

しかし実際には老人がたくさんにいたのに、老人に見えなかったというのです。

これがきっかけとなって、メディアや研究者が取り扱うようになり、マカがすばらしい栄養素もつ植物である事が、世界の人々に知れわたるようになったのです。

現在マカは、ペルーの大きな国家事業として取り扱われています。

アメリカ、日本など世界各地に輸出されていますが、ペルーからマカそのものを持ち出すことは法律で禁じられており、粉末などに加工されたものだけが輸出を許されています。