マカの伝説
マカにはさまざまな伝説が残されています。
・スペイン人がインカ帝国を征服できたのはマカのおかげ?
スペイン軍がインカ帝国を征服できたのは、マカを利用したからという説があります。
インカを侵略して植民地を広げていくには、どうしても馬が必要でした。
そのためスペイン軍は、ヨーロッパから馬をたくさん連れてきたのです。
インカ帝国の人々にとって、馬は驚異の動物でした。
初めて馬を目にしたインカの戦士たちは、その巨大な体と野を駆ける能力に圧倒され、馬を見ただけで戦意を喪失したといいます。
ところが馬たちは、経験したことのないアンデスの厳しい自然環境になじめず、子馬を産む前にどんどん死んでしまったのです。
困ったスペイン軍は、アンデスの人々がマカを飼料にもちいて家畜を繁殖させていることに目をつけました。
そこで馬たちにマカを食べさせたところ、繁殖するようになり、絶滅することが避けられたということです。
そしてついにスペイン軍はインカ帝国を降伏させたのです。
植民地時代の記録によると、この目的のために家畜飼料として約9トンのマカが取り引きされたとされています。
歴史家たちの研究によると、スペイン人がインカ帝国を征服できたのは、まさにマカのおかげであるといわれているのです。
・結婚前の若者はマカ禁止?
インカ帝国時代には、マカは性機能が強まる特性があるため、若者たちの性が乱れてしまうことを憂慮して、結婚前の男女は食べるのを禁止されていたようです。
・戦士もマカは禁止?
インカ帝国時代には、マカは神に捧げる供え物として大事に扱われ、王侯貴族の貴重な滋養食として、また戦いの後の戦士や部族への褒美として使われていたという研究があります。
いっぽうで、戦いの前に戦士がマカを食べることを禁じていたという説もあります。
マカの食べすぎで精力がつきすぎ、侵略地の婦女子を襲うおそれがあったからです。
・NASAがマカを宇宙食に?
NASA(アメリカ航空宇宙局)もマカを宇宙食に利用しているようです。
いうまでもなく、宇宙飛行士は危険で過酷な仕事で、重力がとぼしい宇宙空間で生活するために、生理機能の不調を起こすこともしばしばあります。
宇宙飛行士には、強靭な肉体と明晰な頭脳、そしてすぐれた反射神経などが必要とされます。
そんな宇宙飛行士のために、マカの力が必要なのだそうです。
たんぱく質の素材となるアミノ酸を豊富に含むマカは、体力維持に最適です。
マカに含まれるアルカロイドやサポニンなどの活性物質は、頭脳や反射神経を活性化してくれます。
これによって環境の厳しい宇宙の仕事も行うことができるというわけです。